この度学会創立50周年、第100回とい う記念すべき総会において長谷川・永田賞を戴いたことは大変光栄に存じます。 外にもこの賞を受けられるにふさわしい方が幾人もおられますのに、私がその第1 号を戴くことになりましたのは誠に僭越なことと思っております。
今回総会が 通信総合研究所で行われましたが、この研究所が電離層を一つの大きな研究対象 としてこられた電波研究所であったことは、この学会の50周年、第100回を記念 する総会の場所として大変意義深いことですが、私の個人的なことを申しますと、 昭和29年の夏休み2ヶ月間、大学4年生の学外実習として、この電波研究所にお世 話になり、中田美明さんのご指導を受け複数の受信周波数で電離層見かけ高さを 連続観測するというプロジェクトのお手伝いを致しました。それゆえこの研究所 が本当に懐かしく、その場所で受賞できたことは感動を倍加しております。
長谷川・永田賞の両先生と私との関わりについて少し触れさせて頂きますと、 昭和30〜31年京都大学大学院修士課程学生の頃、指導教官の前田憲一先生のご指示によ り理学部地球物理教室長谷川研究室に出入りさせて頂き、研究室の方々からご指 導を受けることが出来ました。研究を始めたばかりの若輩学生の私でありました が、老長谷川大先生にも親しくお声をかけて頂き、また講義も聞かせて戴きまし た。先生はそれから間もなく京大をご退官になり、徳島大学学長、福井大学学長 を歴任されましたが、当学会の初代委員長(現在は会長)としていつも本学会総 会・講演会にはご出席になりました。また永田 武先生は前田憲一先生とともに 宇宙開発、極域研究で日本をリードしてこられましたので、私も強く両先生のご 薫陶を受けて参りました。また永田先生は京都にもよくおいでになり、お酒の席 にご一緒させて戴く機会も多くありました。学問的には厳しい先生ですが、前田 先生の門下生という理由からか大変寛大に扱って頂いたように感じられます。
また私が田中舘賞を受賞したのは昭和36年秋の福井大学での学会でしたが、大会 委員長は同大学の学長をしておられた長谷川万吉先生であり、本学会の委員長は その年から第2代目として就任された永田 武先生でありました。したがって長谷 川先生の前で永田先生から直接賞を頂いたことになります。いま長谷川・永田賞 を戴いてそのことを思い出し、感慨を深くしております。
この受賞は直接ご指導戴いた前田憲一先生、 大林辰蔵先生を初めとして、この学会の諸先輩、同輩の 方々のご鞭撻のお蔭であります。また、研究室のスタッフや、学生諸君のご協力 に負うところが大きいと感謝しております。また、昭和63年から2年間この学会 の会長を務めさせて頂きましたが、会長任務をサポートして頂いた評議員、運営 委員などの役員の方々に厚く感謝の意を表したいと思います。