学校科目「地学」関連学 会連絡協議会報告とSGEPSSでの取り組みについて 

前回に引き続いてSGEPSSを含 む3つの学会の地学教育と普及に関する取り組みについての報告がなされた。  地学団体研究会は、地球科学の研究者や愛好者によって1947年に創設され現在の 会員数は2700人程である。発足当時は教官や大学院生が中心で研究活動が中心で あった。現在の会員は、小・中・高教員の占める割合が高く"教師グループ"とし て活動し、教育と研究の統一を進めていこうとしている。発足当時から地質学会 との関連が強く、会員は半分以上ダブッている。団体研究の成果を一般市民に普 及させるため多くの普及書等の出版物を出したり、シンポジウムを開いている。

火山学会は地質学会の中の火山関係の人が集まって1932年に発足した。戦後、 活火山研究会、火山物理研究会となり、1956年に日本火山学会として再組織され た。1966年には会員数は390人程であったが、1996年には1200人程となり会員数 は順調に増えている。会員数が順調に増えているのは、火山等の自然現象がマス コミや一般の人の関心の的になってきているためと、防災関係の人が学会に入り 始めているためである。会員のほとんどは他の学会とダブッて会員になっている。 1993年に評議委員会で一般社会人や青少年を対象として普及・啓蒙活動を積極的 に行うことが推奨されたが、この時には中学・高校等での教育(初等・中等教育 )の問題はあまり議論されず、むしろ大学に於ける教育(高等教育)の問題が議 論された。最近では啓蒙活動としてフォーラムや市民講座、公開講座を開いてい る。啓蒙活動を始めてから、また特に最近ホームページ(海外向けにも)を開い てから学会に対する問い合わせが増えている。生活のベースにある自然を中心に して、自然の物の見方や基本的知識を養うことを目的として啓蒙活動を行ってい る。教科書に詳しい記述がなくても、例えば小学校の生活科等でどんな教員でも 教えられるようにすることが啓蒙活動の目標である。

  SGEPSSでは、普及書の 出版や公開講座等の啓蒙・普及活動は行っていないが広報活動として各総会・講 演会の前に報道機関に総会・講演会の案内状を送っていることが報告された。ま た中・高校で使われている教科書の中のSGEPSS関連の事項の記述に関する調査の 内容も報告された。最も詳しくSGEPSS関連の事項を載せている教科書の内容につ いては、出席している高校の先生から、あまりにも専門的過ぎる事項の記述もあ るという感想が述べられたが、比較的に記述の少ない教科書の内容については、 それ位のSGEPSS関連の記述であれば既に昭和30年代後半の教科書に載っていたと いう指摘もあった。高校等の教科書の中の記述が豊富になって、学会にとって好 ましくなったことが必ずしも初等・中等教育の改善を意味せず、地学教育の目的 をはっきり知っておくことが必要であるとの意見が出された。また今後は、週5 日制の実施等のため教科書の内容はますます厳選される方向にあり、特定の学会 だけでなく地学全体が良くなるように教科書の内容を改善していく必要があると の意見が出された。

 SGEPSS運営委員会に於いても、教育と普及・広報の問題が 議論された。SGEPSSのホームページも充実しつつあり(大村運営委員の御努力に よる)、火山学会の報告にもあるように、今後ホームページが教育と普及に役に 立つという意見が出された。この件に関しては、他の幾つかの地学関係の学会の やっているようにホームページを民間の検索エンジンに繋げる案や、現在、一運 営委員のボランティア的努力に頼っているホームページの運営・維持が今後、大 変になってくることをふまえて、ホームページの運営・維持を民間業者に委託す る等の案が提案されたが、今後の議論の課題として次期の運営委員会に持ち越す ことになった。また、SGEPSSのホームページについてはその公開以後、特に検索 エンジンに繋げていない状態でも、かなり多くのアクセスが学会会員以外からも あることが報告された。 (広報担当運営委員)