地球物理学研究連絡委員会議事抄録 (第16期 第6回)
日 時:平成8年9月20日(金)
13時30分〜17時00分
会 場:日本学術会議
出席者:浅井、上田、大家、杉ノ原、瀬川、高橋、藤井の7委員
オブザーバー/小野(竹内代理)
事務局/金井
上田委員長の司会で議事が進められた。まず、前回委員会の議事抄録 の確認をお
こない了承された。
1. 諸報告
上田委員長より次の報告があった。
(1)東京大学地震研究所は、地震研究所付属として「海半球観測センター」を概算要
求しているが、地物研連としてその要求を支持することとした。このセンターは7名
のスタッフで開設する計画である。
(2)日本学術会議運営審議会付置広報委員会関東地区会議(代表幹事 上田誠也)は
、本年、新潟市で公開学術講演会を催すことになった。
(3)上田委員長は、発展途上国を支援するIUGGの委員会の委員長となっている。しか
し、この委員会を機能させるのは難しいと思う。このような委員会はむしろ、各協会
(Association)単位で行ったほうが有効ではないだろうか。
瀬川幹事の報告:
平成9年度の文部省科学研究費第1段審査および第2段審査(地物研連関連分)に
かかわる審査員の推薦手続きが終了した。
2. 地球物理学データ収集・保存について
前回の委員会の決定に基づき、大家委員が中心となって準備を行ってきた。
大家委員の報告:
京都大学の荒木徹教授に世話人になってもらい、仮称「地球環境データ処理体制検
討委員会」の委員推薦の世話をお願いした。この委員会は、本年度内に「地球環境デ
ータ体制検討ワークショップ」を開催する見込みである。地球電磁気学研連では、関
連する分野のデータ処理体制に関する小委員会をつくるべく、メンバーの選定を始め
た。地球環境データ処理体制検討委員会は、21世紀の地球物理学全体を見通すデー
タセンターを構築することを目的とし、一極集中ではなく、分散型の拠点を設けるこ
とにしたい。
これについて、次のような意見があった。
*地球物理学に地球環境も含めるとデータが膨大になり過ぎるのでは。
*初めは、地球物理学だけに絞ってはどうか。
*データに関しては、科学技術庁関連の動きも知る必要がある。
*科学技術庁(実際には主にNASDA)および気象庁は、GCOS(Global Climate Observ
ation System)検討 委員会を通してデータの問題を検討している。
*日本では特に、Data Archivingが弱い。海洋データについては、米国の組織が特に
しっかりしている。日本ではJODC(Japan Hydrographic Data Center)が 良くやっ
ている。文部省の中では、京都大学の地磁気データセンターや、国立極地研究所のデ
ータセンターなどがある。
*科学技術庁と文部省は、日米貿易摩擦解消の一環として、日米間のデータ交換を提
案したことがある。
3. IUGG日本招致(西暦2003年)について
本年6月20日に開催されたIUGG理事会において、上田委員長は理事の1人とし
て、西暦2003年のIUGG総会を日本に招致したい旨を非公式に表明した。次回1999
年のIUGG総会(22回)の開催地であるイギリスBirminghamの関係者は開催に大変に熱
心であることが分か った。
IUGGには、IUGG開催の監視委員会があり、開催国はその監視を受けることになる。
IUGG招致に関して、上田委員長が私的につくった検討ワーキンググループの本蔵義
守氏(東工大)らによるIGC1992(京都で開かれた万国地質学会議)に関する報告を
検討した。2003年にIUGGを招致するとすれば、1999年の初頭にはIUGG開催について正
式な申し入れをする必要がある。
これに関して次の問題が話し合われた。
*登録料の問題
*組織委員会の構成
*準備会の編成
準備会については、各研連がメンバーを推薦することにし、瀬川幹事がそれを取り
まとめることにした。準備会の第一の任務は、IUGG開催のFeasibility Studyである。
*IUGG総会の具体化のためには、しっかりした事務局を設ける必要がある。
1992年のIGC総会では、工業技術院地質調査所が事務局となり、全面的に協力した。
*2003年IUGG総会の事務局の候補として、瀬川委員より、建設省国土地理院が紹介さ
れた。国土地理院は、IUGGの重要な部分を占める測地学の日本における代表的機関で
あり、日本測地学会の事務局もおかれている。まだ、当事者の了解を得てはいないが
、一旦引き受けた場合には、十分にその任務を果たす実力、組織力を持っていると考
える。
*西暦2003年のIUGG総会について、国際的コンベンションを扱う2―3の企業からの
照会があった。幹事より、それらの企業から出された資料が紹介された。
*次回の委員会で、各研連の推薦に基づき、上記準備会を結成することにした。
4. 惑星科学専門委員会の提案について
前回の地物研連の合意事項として、惑星科学専門委員会を新たに設けることになり
、地物研連から1名、天文学研連から1名、鉱物学研連から1名、計3名の委員定員
を同専門委員会に拠出することが委員長より提案された。この事については、3人の
日本学術会議会員、上田誠也(地物)、杉本大一郎(天文)、青木謙一郎(鉱物)が
すでに合意をしている。惑星科学に関連が深いと思われる地質総研連および地化宇化
研連は、これについては全く関心がないということで除外された。
*地物研連から惑星科学専門委に委員を1名拠出する件につき、上田委員長より、地
震研連の持ち分の1名の委員を恒久的に惑星科学専門委に提出することが提案され、
了承された。ただし、惑星科学専門委の相当する1名の委員の選出母体は地震学会と
するという条件をつける。したがって、今後、地物研連の正式な委員数は7名となる。
*地物研連の委員数が7名となるにともない、地震研連以外に、オブザーバーとなる
研連が出てくる。これは、会期ごとに持ち回りとすることにし、その順番を決めるこ
とにした。なお、前回委員会で、電磁気学研連から1名拠出できるという話があった
が、その後の検討によりこれは取り下げられた。これは、次回の研連で議論する予定
のSCOSTEP専門委員会の設立と関連している。
*来期以後の持ち回りによるオブザーバー研連を決めた。その結果は次のようにな
った。
第17期 測地学研連
第18期 気象学研連
第19期 海洋物理学研連
第20期 火山学研連
第21期 電磁気学研連
第22期 陸水学研連
ただし、オブザーバー研連の関係委員が東京より遠方に居住し ている場合、在京
の委員を出している研連と交替することはありうる。
5. 研連の見直し
日本学術会議第一常置委員会は平成8年6月より、研連の見直しに取り掛かり、議
論の拠り所となる資料をまとめた。
研連の現状は、研連委員定員2370人、研連の数180となっているが、これらを統廃
合してより合理的な組織にすることが目的である。
第4部で見ると、課題別研連が非常に多いことが指摘されている。 特に、地学系
においてそれが多すぎるといわれる。
上述の第一常置委員会の資料によれば、第18期の学術会議をめざした研連の組み
替えの具体案(試案)が示されているが、地物研連関係で見ると、かなり乱暴で、実
情を知らない人のつくった案のようにも見え、これをまともに受け入れることはでき
ないと言う意見が多かった。しかし、一方で、研連の組織には問題があることは分か
るので、今後、継続して検討していくことにした。
6. 次回
日時:平成9年1月9日(木)
13時30分〜17時00分
会場:日本学術会議にて