学会連合について

 第104回総会においては、学会連合についてのこれまでの動きについて河野会長から説明がなされ、そのあと当学会としてどのような方針を持ってこの事に当たるべきかについて、かなり時間を使って討論がなされた。

(1)これまでの経過

 学術会議の地球物理研連では数年前からIUGGの日本への招致について検討していた。しかし、研連レベルでは議論されているものの、学会のレベルでは強く意識しているとは思えない状態が続いている。これは他の各学会でもほぼ同じようであるらしい。このような状況に危機感を持った河野は、気象学会の松野理事長(当時)、地震学会の石田会長と相談して各学会の会長(理事長)を集めて、「地球物理学関連学会長等懇談会」をひらくことにした。この会議では、学会連合に対する熱心さの度合いが、学会ごとにかなり異なることが明らかになったが、一方IUGG招致という大事業のためには、かなりしっかりした連合組織が必要であることも認識された。このため世話人3人は、第2回の会議を12月中に開催しようと準備をはじめ、その一環として学会連合についての考え方に関するアンケートを作成し、各学会に回答を求めた。勿論このアンケートの回答が、各学会の今後の行動を拘束するものではない、という前提の上でである。

 注意していただきたいのは、この会議はあくまでも世話人3人の個人的なイニシアチブによって招集されたものだ、ということである。どのような学会連合が望ましいかについては世話人としての考えはあるが、この会議においても、また別の場所でも、これまでにSGEPSS会長として学会としてコミットするような発言をしたことはない。多数の異なった考えの学会の間の話し合いであり、簡単に合意が得られるとは考えていない。世話人としては、今年中に学会連合に向けた話し合いをはじめる基礎を固めたい。世話人3人はいずれも会長(理事長)の交代期を迎えており、話し合いの基礎を作るところまでが自分達の任務であり、実際にどのような連合組織を目指すかは、次期の学会リーダー(会長、運営委員)に中心となって考えてもらいたいと思っている。

実際にこのような作業のためのワーキンググループができるのは来年以降のことであろう。SGEPSSとして、学会連合の個々の問題にどのような立場をとるかは、他の学会との折衝と平行して学会内で議論を進めていく必要がある。

以上のように学会連合についての当学会の意思はまだ決定されておらず、アンケートの回答も学会を縛るようなものではない。しかし全会員に対する心配をおかけしたことは、会長と運営委員会の努力が足りなかったと反省している。この点についてはおわびしたい。

 

(1)質疑および討論の概略

●アンケートには学会の運命を託すような質問も含まれている。運営委員と評議員だけ   

  でなく、全会員に伝えて意見を聞くべきだ。

○アンケートは普段コミュニケーションがない多くの学会代表を集めて、短い時間内に  

 有意義な会議を持つための、問題設定のテクニックであると考えてもらいたい。今後

 の学会の立場を拘束するものでないことは前文にも明記しており、学会の運命を託す

 ようなものではない。

●学会連合が必要であることは明らかであるが、誰かが動かなければ始まらない。全体

 の流れを作るきっかけになるので会長の行動は適切だと思う。

●こういう問題ではどこかの学会が頑張らないと進まない。SGEPSSは以前から学会連合  

 に関してイニシアチブをとってきており、今度の問題でもその立場をとるべきだ。

● IUGGはたしかに大問題だが、その対応だけを考えるなら ad hoc な学会連合が良い。

○連合大会を開催した経験からいうと、臨時的な組織では共通意思の形成が困難であり、

 どうしても財政的基盤を持った組織が必要だと個人的には考えている。

●ホームページに載っていたというが、ほとんどの会員には伝わっていない。大事な情

 報が会員に伝わらないのは、学会の運営の仕方がおかしい。

○今回のことについては、学術会議の研連と各学会との間のカップリングが悪かったと

 反省している。

●「学会連合」という言葉は強すぎると思う。そのような包括的なものでなく、臨時的

 にやるしかないのではないか。

●大会を催すのはLOCなど研究者が中心になった組織であろう。その研究者たちが犠牲

 になってはいけない。そのためにバックアップする組織が必要であることを明確にす

 ればよい。

●地球物理研連としては、IUGG招致は決めたが、学会連合などの受け皿組織について議

 論はしていない。各学会は応分の助力をするといっており、そのためにどんな組織が

 必要かは、学会側で考えることだという認識である。

● Space plasma physics は地球物理学の中だろうか。学会連合がどれだけ我々の役に立

 つか。

●SGEPSSはこれまで恵まれた環境にあって力を発揮してきたが、そういう状況はいつま

 でもは続かない。地球物理全体としての発言力を増すためには、やはりAGU型の財布

 は一つである学会を目指すべきである。

●合同学会が3年を目処として始まったが、成功して今も続いており、連合を進める期

 は熟している。

●学会連合はこれから先ますます重要性が増す。そのときに最も大事なのは、我々の

 identity をどのように考えるかである。