1. はじめに
  2. 地球磁場の分布
  3. 地球磁場の変動
  4. 地球磁場の成因

地球磁場の変動

 地球磁場は一定不変ではなく,様々な時間スケールで変動している. 数年から数十年の比較的短い周期の変動は, 地球の外部の電離圏や磁気圏に起源がある. 例えば,磁気嵐は太陽活動と磁気圏との相互作用によると考えられている. 一方,長い周期のゆっくりとした変動は,地球の内部に起源がある. このような変動は永年変化と呼ばれている.

 よく知られている地球磁場の永年変化に, 地球磁場のパターンが少しずつ西へ移動していることが挙げられる. このような変化は 1692 年にハレー(Halley)によって指摘されていた. 磁場分布の移動速度は年間約 0.2°である.
 しかし,このような磁場の西方移動は, 核表面での磁場分布 の時間変化を調べると様相が異なることが分かる. 磁場の西方移動はいたるところで起きているのではなく, 東経 90°から西経 90°にかけてに集中しているのである. 一方,太平洋の下部では,地球磁場の変動は非常に小さい. もちろん,地球規模での地球磁場のデータは, せいぜい最近 400 年程度に限られており, それ以前に地球磁場がどのように分布し, どのような変動をしていたのかは, 今後の古地磁気学の研究によることになる.

 永年変化の中でもっとも劇的なものは地球磁場の逆転であろう. かつて,地球磁場の極性が現在とは逆だった時代があったのである. つまり,今では北を指している磁針が,その当時は南を指していたことになる. このことは古地磁気学の研究により明らかにされた.
 地球磁場逆転の歴史は, 海底磁気異常の縞模様と海洋底拡大とから推定された(図参照). 地球磁場の極性逆転は周期的に起こっているわけではなく, かなり不規則に起こっていることがわかる. 例えば,白亜紀には逆転が全く起こっていないと考えられている. このような極性逆転の頻度は, 海洋地殻生成率と関係があるとも指摘されている. つまりマントルの活動が 地球磁場が生成されている核に影響を与えていると考えられる. 地球磁場極性逆転のメカニズムはまだ解明されていない.