地球磁場は一定不変ではなく,様々な時間スケールで変動している. 数年から数十年の比較的短い周期の変動は, 地球の外部の電離圏や磁気圏に起源がある. 例えば,磁気嵐は太陽活動と磁気圏との相互作用によると考えられている. 一方,長い周期のゆっくりとした変動は,地球の内部に起源がある. このような変動は永年変化と呼ばれている.
よく知られている地球磁場の永年変化に,
地球磁場のパターンが少しずつ西へ移動していることが挙げられる.
このような変化は 1692 年にハレー(Halley)によって指摘されていた.
磁場分布の移動速度は年間約 0.2°である.
しかし,このような磁場の西方移動は,
核表面での磁場分布
の時間変化を調べると様相が異なることが分かる.
磁場の西方移動はいたるところで起きているのではなく,
東経 90°から西経 90°にかけてに集中しているのである.
一方,太平洋の下部では,地球磁場の変動は非常に小さい.
もちろん,地球規模での地球磁場のデータは,
せいぜい最近 400 年程度に限られており,
それ以前に地球磁場がどのように分布し,
どのような変動をしていたのかは,
今後の古地磁気学の研究によることになる.
永年変化の中でもっとも劇的なものは地球磁場の逆転であろう.
かつて,地球磁場の極性が現在とは逆だった時代があったのである.
つまり,今では北を指している磁針が,その当時は南を指していたことになる.
このことは古地磁気学の研究により明らかにされた.
地球磁場逆転の歴史は,
海底磁気異常の縞模様と海洋底拡大とから推定された(図参照).
地球磁場の極性逆転は周期的に起こっているわけではなく,
かなり不規則に起こっていることがわかる.
例えば,白亜紀には逆転が全く起こっていないと考えられている.
このような極性逆転の頻度は,
海洋地殻生成率と関係があるとも指摘されている.
つまりマントルの活動が
地球磁場が生成されている核に影響を与えていると考えられる.
地球磁場極性逆転のメカニズムはまだ解明されていない.