古地磁気学
古地磁気学とは?
岩石に記録された地球磁場
- 岩石に記録されている過去の地球磁場およびそれを用いた様々な研究をす
る学問を古地磁気学といいます。岩石は大きく火成岩と堆積岩にわけることができま
すが、地球磁場を記録するメカニズムは火成岩と堆積岩によって異なります。火成岩
の場合には、岩石が冷える時に磁性鉱物が地球磁場方向の残留磁化を獲得します。一
方、堆積岩は堆積物に含まれる磁性鉱物粒子が海や湖で沈降する間に地球磁場の方向
に配列し、その後磁性鉱物が圧密によって固定されて動かなくなることで獲得されます(残留磁化獲得の詳しい説明)。
地球磁場変動の特徴
- 地球は微惑星衝突によって形成されたと考えられていますが、その後マン
トルと核が分離してから??億年前頃に地球磁場は発生するようになったと考えられ
ています。地球の内部は地殻・マントル・外核・内核にわけられますが、地球磁場は
主として流体鉄からなる外核でのダイナモ作用によって発生していると考えられてい
ます(地磁気ダイナモ)。
- 地球磁場は双極子磁場が卓越しているため地球の自転軸から11度傾いた
棒磁石で近似できます(現在の地球磁場の詳しい説明)。地球磁場には様々な時間ス
ケールでの変動がありますが、数十年から数百年の緩やかな地磁気変化は地磁気永年
変化と呼ばれ、16世紀以降に世界各地で歴史記録が得られています(地磁気永年変化の詳しい説明)。歴史記録
がない時代の永年変化を調べるために、遺跡のかまど跡や焼土などに記録された地球
磁場を調べる考古地磁気学という手法もあります(考古地磁気学の詳しい説明)。また、数万年
から数百万年といった長期にわたる平均磁場からのずれを古地磁気永年変化といい、
これらは堆積速度の早い湖や海の堆積物に記録されています(古地磁気永年変化の詳しい説明)。
これらの変動を数千年以上という長い期間で平均すると、双極子磁場の軸の傾きや非
双極子磁場の割合は無視できるようになって、地磁気を完全に自転軸と一致した磁軸
をもつ双極子(地心双極子)とみなすことができるようになります。さらに地球磁場
を長期的に統計処理を行うと、様々な特徴が明らかになってきます(地球磁場の長期的特徴)。
- 地球磁場の特徴の中でも最も目を引くのが地球磁場の逆転です(地球磁場逆転の詳しい説明)。現在の地球磁場は
北極がS極になっており、磁気コンパスのN極が北を向くようになっていますが、過去
においては北極がN極であった期間もありました。これら2つの極性は過去に何回も
入れ代わって地球磁場逆転をくり返してきました。地球磁場の極性が逆転する年代は
長期にわたってかなり正確に求められており、地層から試料を採取して極性を測定す
ることで年代を推定することができます。このような学問を古地磁気層序学(古地磁気層序学の詳しい説明)といいます。
- 地球磁場はその形や極性だけでなく、その強さも過去に大きく変化してき
ました。(地球磁場強度変動の詳しい説明)。
地球磁場強度が弱くなった時に地磁気の短い逆転や地磁気エクスカーションがあった
のではないかといわれています(地磁気エクスカーションの詳しい説明)。
古地磁気学の応用